May 2009 Archives

Elevated Doma(2008)

プロジェクト名: 澄心寺庫裏計画
計画年: 2008年4月
計画地: 長野県上伊那郡箕輪町

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曹洞宗澄心寺の本堂横に建つ庫裏計画。庫裏内に一般の人が入れるコモンスペースをつくりたいという住職の要望にしたがって、プライベートスペースに螺旋状のコモンスペースを組み込んだ。自然な動線の流れを引き込むため、メガホンのように口の広くなったエントランスの土間から人々を誘い、外周部をめぐりながら、3階のホールへとゆっくりと上がる。庫裏外周を半周する階段部分からには、連続した開口部が外部に向けて空けられており、背後の緑豊かな山や裏庭、そしてゆったりと反り上がる大屋根を景色に取り込む。
3階のホールは、かつて村のコミュニティとして機能した、伝統芸能などを催す場の「農村舞台」として用いることを想定している。ホールからは、緩やかな丘の斜面と街の風景が一望できる。1階と3階のホールを結ぶ導管によって、上階での人の様子、アクティヴィティ、空気、光、風、声、音、におい、ざわめきといったものが、下階に伝わり、人々の動きを誘う。
プライベートな住宅の領域は完全に独立して用いることができるが、住宅部分と共用部分はホールで接し、必要に応じてどちらにも用いることのできる緩衝ゾーンとしてのテラスも用意されている。

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N-church(2008)

プロジェクト名: N-church
計画年: 2008年
計画地: 東京都西川口

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斜面地を利用した週末住宅。高さ方向と奥行き方向への傾斜が加わることによって、立体的な奥行きが生み出されます。持ち出しのヴォリュームに吊られたガラスボックスからは豊かな眺望が広がります。

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Forest in forest(2001)

プロジェクト名: 森の学校「フォレスト・イン・フォレスト」
計画年: 2001年6月
計画地: 新潟県松之山町
協力: 東京大学生産技術研究所藤井・曲渕研究室

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森の学校。各部屋は、モザイクのように平板な建物の中に配置され、各部屋は廊下なく繋がっている。積雪によって、夏と冬では異なる入口が生み出される。通常、一つのエントランスを中心にプログラムが構成されるのに対して、夏は1層目と3層目、冬は2層目と4層目が入口となることによって、複数の中心性が建物にもたらされ、各諸室の関係はより自由に組み変わり、ヒエラルキーのない空間の組み合わせが生まれる。森の空間構造を垂直的に展開した「垂直の森」である。

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Tesseract(2002)

プロジェクト名: ウィークエンドハウス「テセラクト」
計画年: 2002年06月
計画地: 石川県、辰口町

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斜面地を利用した週末住宅。住宅全体は、水回り、書斎などを集めた閉鎖的な部分(平地)と、リビング、ダイニングを含む開放的な部分(斜面地)に分けられる。斜面に持ち出された部分は、平面的、断面的に傾斜が加わっており、内部の空間に立体的な奥行き感を生み出している。建築を斜行しながら移動する動線は斜面と連続することにより、斜面の一部を建築に取り込んでいる。持ち出しのヴォリュームに吊られたガラスボックスからは周囲の豊かな眺望が一望できる。擁壁に仕込まれた反射板が映し出す形態の全体像は、四次元立方体(=テセラクト)を三次元に投影したものでもある。

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Traveling Void(1997)

プロジェクト名: トラヴェリング・ヴォイド
計画年: 1997年11月
計画地: 京都府
備考: 国際コンペ「21世紀・京都の未来」設計競技提出案
共同設計: 槻橋修、樫原徹ら

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旅するヴォイド。100年かけてヴォイドがゆっくりと京都を横断する。100年の都市計画は難しい。そもそも都市計画の長期計画とはせいぜい20年、30年計画であって、100年後の未来を予測するのは不可能に近い。そこでわれわれは、都市を計画するのではなく、巨大な空白地帯であるヴォイドを旅させる(=破壊する)ことによってあらたな活力を生み出すことを提案した。新しいものをつくるのではなく破壊が生成を生む。われわれが計画するのは10年に一度、都市の方向性を決定するためのナビゲーターと呼ばれる都市建築物のみである。これは極端なことではない。そもそも京都の歴史がそうであった。活力を保つために、都市構造を大胆に再編し、地下のグランド・サーキットの進展にしたがって、旧市街地から自動車交通が減少していく。世界都市京都に向けたヴォイドの旅にしたがって、都市プログラムは再配置され、あらたな京都が100年かけて誕生する。

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M-House(2008-)

プロジェクト名: M-House
計画年: 2008年8月-
計画地: 神奈川県、鎌倉市

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狭小敷地に建つ3階建て住宅。限られた空間を最大限に用いる方法を模索した。敷地の形状から、空間の基本単位を4面体とした。直方体は、必ず6つの4面体に分割できる。よって、一つの空間を最大6倍にまで用いる可能性が生まれる。現実的に可能な空間の組み合わせをスタディし、その中での最適解を探った。階段のある空間は、下からくつろぎの場、リビング、やすらぎの場、本棚を兼ねる階段空間、テラスの前の空間と、連続的につながり、空間の裏と表を交互に用いている。


4面体が連続的な空間の運動が生み出すという子供の身体感覚を織り込んだ住宅。

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FLAG(2008)

プロジェクト名: FLAG(ぐんま総合情報センター設計競技案)
計画年: 2008年2月
計画地: 東京都、銀座
共同設計: 林要次

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銀座歌舞伎座の前の建物の一角に計画された、群馬県の情報センター施設です。樹状の一つの大きな家具によって空間をゆるやかに分節することによって、多様な空間の使い方を誘発します。

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Villagilization(2005)

プロジェクト名: Villagilization
計画年: 2005年01月
計画地: アメリカ、フィラデルフィア
備考: Urban Voids:フィラデルフィア国際デザイン設計競技案
共同設計: Eric Sfar, Alexis Lagardeら

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空地が目立ちスラム化するフィラデルフィアを再生するためのプロジェクト。スプロール化した郊外地の荒廃を救うため、緑のネットワークを都市にかぶせる。緑のルートで囲まれた領域が新しい「ヴィレッジ」となり、これまでの茫漠とした郊外の広がりから、複数のコンパクトな居住単位をつくりだす。 都市郊外を緑で分割することで連結を生み出すという、逆説的な手法。

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x-project(2008-)

プロジェクト名: x-project
計画年: 2008年7月-

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半開放型の中庭をもつ集合住宅。日本の都市環境では、囲い込み型のブロック型中庭より、半開放型の中庭の方が適している。また集合住宅であるより、住宅と集合住宅の中間的なビルティング・タイプが目指された。法規的には長屋がそれにあたるが、ここでは括弧付きの「長屋」として、住宅でも集合住宅でもない居住形式を追求している。さらに、半開放型の中庭をもつヴォリュームは、少しずつずれながら重なりあう。連続した半中庭空間が重なりあい、内とも外ともいえない親密な空間が「長屋」内に確保される。何重もの「奥」を持つ空間が展開することで、日本の伝統的空間がもつ空間性の特徴も再現されている。

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『ユリイカ 2009年6月号』(青土社)


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「プラットフォームに向かう思考ーレム・コールハース試論」
『ユリイカ 2009年6月号』、青土社、p.79-87
(2009年6月)

Ground Access(2006)

プロジェクト名: 塩尻市大門中央通地区市街地再開発ビル設計競技案
計画年: 2006年9月
計画地: 長野県塩尻市
共同設計: 白川在、冨川浩史



中心市街地活性化のための、図書館を中心とした複合施設。雲状につらなった空間システムによって、上階のアクティヴィティが地上レベルにまで伝わります。都市の空気を立体的に混ぜ合わせる装置です。

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『Jean Nouvel[DVD]』

五十嵐太郎と共に監修
『Jean Nouvel[DVD]』、 アップリンク
(2009年5月)

Lisbon Architecture Triennale Exhibition in Japan(2007)

プロジェクト名: リスボン国際建築トリエンナーレ帰国展会場構成
計画年: 2007年11月
計画地: 東京都新宿区
キュレーター: 五十嵐太郎
会場構成: 松田達
照明: 三橋倫子
音楽: 中川隆
アート・ディレクション: ミリメーター

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リビングデザインセンターOZONEにおける建築国際展「リスボン建築トリエンナーレ」の日本帰国展会場構成。「深海」と「渦」をテーマとし、クラインブルーの床と壁、伸縮性素材の膜の使用により、入り込むことのできないはずの非日常的な空間を表現した。青白く光る伸縮性の膜は、床と一点で接しており、マテリアルの可能性も追求された。「渦」によって生み出された円弧状動線にしたがって、各展示物は配置されている。限りなく深い青を表現するため、微妙なゆらぎをくわえたクラインブルーの素材を床と壁に用いられている。

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撮影クレジット: 阿野太一(LSN001-LSN009)、新堀学(LSN011-LSN012)

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